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南アルプスと中央アルプス — 二つの山に抱かれた伊那谷

南アルプスと中央アルプス — 二つの山に抱かれた伊那谷

伊那市は、東に南アルプス、西に中央アルプスという二つのアルプスに抱かれた街です。諏訪湖を水源とする天竜川が刻んだ細長い盆地の両側に山並みが迫り、市内のどこにいても二つの山を同時に感じることができます。稜線が幾重にも重なって見える、伊那谷ならではの幻想的な風景です。

西箕輪から望む中央アルプス(木曽山脈)の北端に位置するのが、経ヶ岳(標高2296メートル)です。この山は、羽広の仲仙寺に伝わる十一面観音像の霊木が見つかったとされる山でもあります。祈りの物語と、目の前にそびえる山並みが、ここではひとつにつながっています。

町なかから車で10分ほどの西箕輪の高台には、南アルプスと中央アルプス、そして伊那谷の眺めを楽しめる展望ポイントも点在しています。標高900メートルほどの羽広の高台からも、南アルプスの山並みと伊那谷が一望できます。朝は東の南アルプスが光を受け、夕方には西の中央アルプスが影を深める。同じ場所に立っていても、時間によって二つの山の表情はまるで違って見えます。

冬には雪化粧した稜線がくっきりと浮かび上がり、夏は緑の山肌が谷の空気を涼しく保ちます。春の芽吹き、秋の紅葉と、季節が移るごとに山肌の色合いも変わっていきます。盆地特有の寒暖差の大きい気候をつくっているのも、この二つの山並みです。窓の外に山を望みながら過ごす滞在は、この土地でしか味わえない時間です。

晴れた日の朝は、まず外に出て、東西の空を見比べてみてください。伊那谷が「二つのアルプスの谷」と呼ばれる理由が、きっと実感できるはずです。

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