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みはらしファームとみはらしの湯 — 峠を越えた水が育てた土地

みはらしファームとみはらしの湯 — 峠を越えた水が育てた土地

権兵衛峠には、もうひとつの歴史が眠っています。木曽と伊那を結んだのは人や物だけでなく、水もそのひとつでした。かつて水に乏しかった伊那側のために、木曽側から水を引いた用水路がこの峠を越えており、それが今日、上伊那が「米どころ」と呼ばれる土台のひとつになってきました。JA上伊那では良質な米づくりを目指す研究組織が置かれ、収穫した米は複数のカントリーエレベーターでもみのまま保管し、一年を通して精米したての味を届けています。

伊那谷は盆地特有の内陸性気候で、夏は日差しが強く、夜は山からの冷気で気温が下がります。この寒暖差の大きさが、米や果物の甘みを育ててきました。ナイアガラやピオーネといったぶどうに加え、種なしのシャインマスカットやナガノパープル、新品種のクイーンルージュの栽培も広がっています。

そんな上伊那の農を、体験として味わえる場所が西箕輪にあります。南アルプスを一望する高原に広がる「はびろ農業公園 みはらしファーム」です。季節ごとにいちご・アスパラガス・ブルーベリー・りんごなどの収穫体験ができるほか、そば打ちやパン作り、乗馬なども楽しめます。園内の直売所には、朝どれの野菜や地場の食材も並びます。

隣接する日帰り入浴施設「みはらしの湯」は、標高900メートルの高台から南アルプスの山並みと伊那谷を見渡せる、1994年に湧出した弱アルカリ性の温泉です。大風呂や打たせ湯、露天風呂、サウナなど7種の湯船があり、農園で過ごした一日の締めくくりにぴったりの場所です。

峠を越えて届いた水が田を潤し、その田が育てた米や野菜が、今もこの土地の食卓を支えています。収穫と入浴、両方の体験を通じて、水と農がつくってきたこの土地の暮らしを感じてみてください。

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